太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万500…

太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万5000点。浮世絵の楽しさを皆さまにお届けします。表記がない画像は太田記念美術館の所蔵。公式サイトは http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

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記事一覧

北斎VS暁斎 漫画対決!

2021年7月22日より9月17日かけて、六本木東京ミッドタウン・ホールでは「北斎づくし」展が開催されました。この展覧会の目玉の一つが、『北斎漫画』全15編が全頁展示されて…

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【オンライン展覧会】「江戸の天気」展(後期)

太田記念美術館にて、2021年7月30日(金)~8月29日(日)開催の「江戸の天気」(後期)のオンライン展覧会です。展覧会は前期と後期で全点展示替えを行いますが、本オンラ…

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歌川広重の雲がとても色鮮やかという話

雲がどんな色をしているかと聞かれれば、誰しもまずは「白」と答えることでしょう。江戸時代の浮世絵に描かれた雲を見ても、やはりその多くは白い色をしています。 しかし…

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北斎の波の絵はどこから富士山を眺めているの?という話

葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。荒々しい波の描写が印象的な作品ですが、具体的にはどの場所から富士山を眺めているのでしょうか? 題名に「神奈川沖」…

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江戸時代のウマが蹄鉄ではなく草鞋(わらじ)を履いていたという話

先日、歌川広重の「名所江戸百景 四ツ谷内藤新宿」をTwitterで紹介したところ、ウマが草鞋(わらじ)を履いているところが気になるという反応をいただきました。 確かに…

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雷が落ちる瞬間を捉えた浮世絵を集めてみた

最近はスマホのカメラも発達したためか、雷が落ちる瞬間を捉えた写真や映像を目にする機会が増えました。落雷は命の安全を脅かすものではありますが、同時に、その巨大な自…

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北斎VS暁斎 漫画対決!

北斎VS暁斎 漫画対決!

2021年7月22日より9月17日かけて、六本木東京ミッドタウン・ホールでは「北斎づくし」展が開催されました。この展覧会の目玉の一つが、『北斎漫画』全15編が全頁展示されているところでした。

『北斎漫画』とは、人物や動植物、風景、建築など、あらゆるジャンルの絵を1冊の本にまとめた、いわばイラストカット集のようなもの。1冊あたり約55頁ほどあるので、全部で15編ともなるとその数がいかに膨大かが分か

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【オンライン展覧会】「江戸の天気」展(後期)

【オンライン展覧会】「江戸の天気」展(後期)

太田記念美術館にて、2021年7月30日(金)~8月29日(日)開催の「江戸の天気」(後期)のオンライン展覧会です。展覧会は前期と後期で全点展示替えを行いますが、本オンライン展覧会では、後期展示57点の画像と解説を掲載しています。
 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美術館で実物をご覧いただくようにお楽しみいただけます。
 オンライン展覧会の入館料は、展

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歌川広重の雲がとても色鮮やかという話

歌川広重の雲がとても色鮮やかという話

雲がどんな色をしているかと聞かれれば、誰しもまずは「白」と答えることでしょう。江戸時代の浮世絵に描かれた雲を見ても、やはりその多くは白い色をしています。

しかしながら、実際の雲は光の屈折や散乱などによって、白以外の鮮やかな色を見せてくれることがあります。江戸時代の浮世絵師、歌川広重が描いた雲を丹念に見てみると、白だけではなく、赤や黄、緑や青など、鮮やかな色をした雲を発見することができます。今回は

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北斎の波の絵はどこから富士山を眺めているの?という話

北斎の波の絵はどこから富士山を眺めているの?という話

葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。荒々しい波の描写が印象的な作品ですが、具体的にはどの場所から富士山を眺めているのでしょうか?

題名に「神奈川沖」とありますし、これだけ波が荒いとなると、現在の神奈川県の沖、すなわち県南部に面した相模湾と考える方もいらっしゃることでしょう。しかし、この「神奈川」とは神奈川県ではなく、東海道の3番目の宿場町であった神奈川宿のことを指しています。現在の神

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江戸時代のウマが蹄鉄ではなく草鞋(わらじ)を履いていたという話

江戸時代のウマが蹄鉄ではなく草鞋(わらじ)を履いていたという話

先日、歌川広重の「名所江戸百景 四ツ谷内藤新宿」をTwitterで紹介したところ、ウマが草鞋(わらじ)を履いているところが気になるという反応をいただきました。

確かによく見ると、人と同じ様に、ウマも4つの足すべてに草鞋を履いていることが分かります。

ウマが草鞋を履いていることは珍しいのでしょうか。他の浮世絵も見てみましょう。こちらは同じく歌川広重の代表作「東海道五拾三次之内」より「吉原 左富士

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雷が落ちる瞬間を捉えた浮世絵を集めてみた

雷が落ちる瞬間を捉えた浮世絵を集めてみた

最近はスマホのカメラも発達したためか、雷が落ちる瞬間を捉えた写真や映像を目にする機会が増えました。落雷は命の安全を脅かすものではありますが、同時に、その巨大な自然の力は美しさを宿しているとも言えます。現代のように写真や映像が手軽に撮れなかった江戸や明治、浮世絵師たちはどのように雷を表現したのでしょうか。今回は、雷を描いた浮世絵をご紹介いたします。

まずは、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」の中から

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