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江戸の地形・土木 記事まとめ

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江戸の地形や土木事業について紹介した記事をまとめました。
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2020年8月の記事一覧

浮世に描かれた橋 ~土木の視点から

太田記念美術館では2020年10月10日~11月8日に「江戸の土木」展を開催しました。近年、土木工事によって造られた地形や構造物に、マニアックな楽しみを見出す人たちが増えています。また東京では、(延期になってしまいましたが)オリンピックを見据えてさまざまな再開発や工事も盛んに行われています。 考えてみると、東京のルーツである100万都市・江戸は、江戸城の普請や、埋め立てにより土地を造成、橋や上水、運河などのインフラの整備など、高度な土木技術より発展していった都市でした。現代

江戸の発展は〈埋め立て〉抜きには語れない

太田記念美術館では2020年10月10日~11月8日に「江戸の土木」展を開催。「土木」というキーワードで、江戸の成り立ちの様子を、浮世絵を通して眺めてみようという展覧会でしたが、その見どころをご紹介します。 家康の江戸入府と埋め立て 今回のテーマは「埋め立て」。江戸の発展は、常に埋め立てとともにあったと言っても言い過ぎではありません。まず天正18年(1590)の家康江戸入府から間もない時期に行われたのが、日比谷入江の埋め立てです。 図のように、家康江戸入府直後の江戸は、「