マガジンのカバー画像

天気 記事まとめ

30
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

歌川広重の「名所江戸百景」でお花見を楽しもう

桜が満開の季節です。浮世絵には桜を描いた作品がいくつもありますが、その制作数がもっとも多いのが、風景画の名手である歌川広重です。広重の最晩年の代表作「名所江戸百景」にも、桜の花は数多く登場します。今回は広重の「名所江戸百景」の中から、特に桜が満開に咲いている様子を描いた名品4点をご紹介します。 ①「千駄木団子坂花屋敷」 現在の東京都文京区千駄木にある団子坂。そのすぐそばに、植木屋の楠田宇平次が開いた花屋敷という庭園がありました。その広さは2500坪。梅や桜など、四季折々の

江戸っ子たちのお花見に参加してみよう

桜が満開の季節。江戸時代の浮世絵には桜の名所が数多く描かれていますが、今回は、花見をしている様子を描いた浮世絵を集めてみました。江戸っ子たちと一緒にヴァーチャルで花見を楽しんでみましょう。 まずは、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」の中から「東海道品川御殿山ノ不二」。 場所は現在のJR品川駅の南。御殿山という小高い丘となっており、たくさんの桜が植えられていました。埋立が進んだ現代とは異なり、目の前には江戸湾が広がっているという、見晴らしの良い場所でもありました。 男性たち

江戸時代の星空を眺めてみた

浮世絵に描かれた夜の風景。空を見てみると、月が輝いていることは多いのですが、星を見かけることはあまりありません。そんな中、あえていろいろな浮世絵師たちが描いた星の浮世絵を探してみました。北斎、広重、国芳など、5点の星空をご紹介いたします。 ①北尾政美(鍬形蕙斎)「浮絵東都中洲夕涼之景」  場所は、隅田川の中洲。新大橋よりやや下流の位置です。この絵が描かれた天明年間(1781~89)頃には、埋め立てが行なわれており、料亭が並ぶ繁華街としてにぎわっていました。夜空を眺めてみま