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動物 記事まとめ

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浮世絵に描かれた動物たちの記事をまとめました。
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#江戸時代

年末の大掃除で動物たちも大忙しです。

年の暮れ、大掃除に追われているご家庭も多いかと思いますが、実は、人間の世界だけでなく、動物の世界も大掃除で大忙しです。こちらは、歌川国芳の門人である歌川芳艶が描いた「獣すすはきのず」。いろいろな動物たちが協力しながら、みんなで大掃除をしています。 「煤掃き(すすはき)」あるいは「煤払い(すすはらい)」とは、新年を迎える準備として、家の中に溜まったすすやほこりを払う行事のこと。江戸時代では12月下旬ではなく、12月13日に行なうのが恒例でした。 それでは動物たちがどのように

2021年の干支・丑にちなんで、牛の浮世絵を紹介します。

もうすぐ2021年。干支は丑です。そこで、浮世絵に描かれた牛たちをご紹介しましょう。 まずは二代歌川広重の「東都三十六景 高輪海岸」です。場所は、現在の東京都港区高輪。JR山手線の高輪ゲートウェイ駅近くです。まだ埋め立てが行われていなかったため、目の前には江戸湾が広がっていました。外国船や台場も見えます。 高輪にはたくさんの牛がおり、高輪牛町と通称される場所もありました。19世紀前半に刊行された『江戸名所図会』には、なんと1000頭以上の牛がいたと記されています。この浮世

浮世絵のウサギたちをご紹介します

浮世絵にはいろいろな動物たちが登場します。キツネは以前にご紹介しましたが、他にもネコやイヌを筆頭に、哺乳類から鳥類、爬虫類、魚類と、その種類はいろいろ。今回は、浮世絵の動物シリーズ第2弾として、ウサギをご紹介します。 広重と北斎のウサギまずは、風景画の名手、歌川広重の「月に兎」から。満月の光に照らされた2匹のウサギ。1匹は満月を眺めていますが、もう1匹は月に関心がないのか、うずくまっています。 画面上部の隅っこが白くなっていますが、この浮世絵は団扇に貼り付けるために作られ