歌川広重は感染症で亡くなったの?という話
歌川広重が亡くなったのは、安政5年(1858)9月6日。数え62歳のことでした。安政5年は、感染症であるコレラが江戸の町で猛威をふるった年です。コレラの流行は長崎から始まり、7月には江戸の町に伝わって、8月に大流行しました。斎藤月岑の『武江年表』によれば、2万8000人余りの命が奪われたと伝えられています。
仮名垣魯文が執筆した『安政午秋 頃痢流行記』では、コレラで亡くなった有名人の名前が列挙されていますが、その中に「画工 立斎広重」として、広重の名前が挙げられています。