太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万500…

太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万5000点。浮世絵の楽しさを皆さまにお届けします。表記がない画像は太田記念美術館の所蔵。公式サイトは http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

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記事一覧

江戸時代のアイロン?という話

浮世絵には、吉原遊郭や、そこで働く遊女たちの姿が数多く描かれています。今回は、ある雨の日の、遊女たちのワンシーンをお届けいたします。 こちらは歌川国貞の「江戸八…

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【オンライン展覧会】「江戸の天気」展(通期)

 太田記念美術館にて、2021年6月26日(土)~8月29日(日)開催の「江戸の天気」展のオンライン展覧会です。展覧会は前期と後期で全点展示替えを行いますが、本オンライン…

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【オンライン展覧会】「江戸の天気」展 (前期)

太田記念美術館にて、2021年6月26日(土)~7月25日(日)開催の「江戸の天気」(前期)のオンライン展覧会です。展覧会は前期と後期で全点展示替えを行いますが、本オンラ…

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浮世絵の摺りの違いを楽しむ豆知識ー葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」

葛飾北斎の「冨嶽三十六景」の一つである「山下白雨」。「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」に並ぶ三役の一つに数えられているほどの代表作です。通称「黒富士」とも称されるこ…

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浮世絵の雨の線ってどんな色?

浮世絵には雨が降っている様子がしばしば描かれています。例えば、有名な歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」では、突然降り注ぐ夕立の激しさを捉えています。…

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アニマルデザインの団扇絵 5選

暑い日に欠かせない団扇は、江戸時代も人々の必須アイテム。そして当時、自分好みの団扇を手に入れるのに必要だったのが、団扇絵です。団扇絵は浮世絵版画のジャンルの一つ…

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江戸時代のアイロン?という話

江戸時代のアイロン?という話

浮世絵には、吉原遊郭や、そこで働く遊女たちの姿が数多く描かれています。今回は、ある雨の日の、遊女たちのワンシーンをお届けいたします。

こちらは歌川国貞の「江戸八景 吉原ノ夜雨」。遊郭の妓楼の一部屋を描いています。

窓の外を眺めると、日はすっかり暮れており、激しい雨が降っています。もし男性客がこんな雨の中をやって来たとしたならば、間違いなくずぶ濡れになっていることでしょう。

しかしこの絵の中に

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【オンライン展覧会】「江戸の天気」展(通期)

【オンライン展覧会】「江戸の天気」展(通期)

 太田記念美術館にて、2021年6月26日(土)~8月29日(日)開催の「江戸の天気」展のオンライン展覧会です。展覧会は前期と後期で全点展示替えを行いますが、本オンライン展覧会では、画像は前期56点、後期57点の全113点を掲載しています。
 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美術館で実物をご覧いただくようにお楽しみいただけます。
 オンライン展覧会の入

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【オンライン展覧会】「江戸の天気」展 (前期)

【オンライン展覧会】「江戸の天気」展 (前期)

太田記念美術館にて、2021年6月26日(土)~7月25日(日)開催の「江戸の天気」(前期)のオンライン展覧会です。展覧会は前期と後期で全点展示替えを行いますが、本オンライン展覧会では、前期展示56点の画像と解説を掲載しています。
 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美術館で実物をご覧いただくようにお楽しみいただけます。
 オンライン展覧会の入館料は、展

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浮世絵の摺りの違いを楽しむ豆知識ー葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」

浮世絵の摺りの違いを楽しむ豆知識ー葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」

葛飾北斎の「冨嶽三十六景」の一つである「山下白雨」。「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」に並ぶ三役の一つに数えられているほどの代表作です。通称「黒富士」とも称されるこの名品を、太田記念美術館では、2点、所蔵しています。

さて、ここで問題です。この2枚の黒富士、どちらが先に摺られたものでしょうか?

浮世絵版画は木版画ですので、1枚だけではなく、たくさんの枚数を摺ります。一般的には、最初に「初摺」と呼ば

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浮世絵の雨の線ってどんな色?

浮世絵の雨の線ってどんな色?

浮世絵には雨が降っている様子がしばしば描かれています。例えば、有名な歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」では、突然降り注ぐ夕立の激しさを捉えています。

この作品のように、浮世絵で雨を表現する際に、斜めの直線がしばしば用いられています。では、その雨の線がどんな色をしているのか、じっくりとご覧になったことはあるでしょうか?

こちらの広重の「大はしあたけの夕立」の雨の線も、単に黒い色をして

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アニマルデザインの団扇絵 5選

アニマルデザインの団扇絵 5選

暑い日に欠かせない団扇は、江戸時代も人々の必須アイテム。そして当時、自分好みの団扇を手に入れるのに必要だったのが、団扇絵です。団扇絵は浮世絵版画のジャンルの一つで、紙の周辺を切り取って竹の骨に貼り付けるという実用品。これを使うことで、季節や個人の好みによって団扇の柄を替えることができました。動物を描いたものも数多く、今回は収蔵品のなかから団扇絵5点をご紹介いたします。

1.歌川広重「月に兎」

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