太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万5000点。浮世絵の楽しさを皆さまにお届けします。表記がない画像は太田記念美術館の所蔵。公式サイトは http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万5000点。浮世絵の楽しさを皆さまにお届けします。表記がない画像は太田記念美術館の所蔵。公式サイトは http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

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    【オンライン展覧会】闇と光ー清親・安治・柳村

    太田記念美術館にて、2022年11月1日~12月18日開催の「闇と光ー清親・安治・柳村」のオンライン展覧会です。 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧…

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    【オンライン展覧会】はこぶ浮世絵ークルマ・船・鉄道

    太田記念美術館にて、2022年10月1日~10月26日まで開催の「はこぶ浮世絵ークルマ・船・鉄道」展のオンライン展覧会です。展示作品全66点の画像および作品解説を掲載してい…

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    浮世絵のカメたちをご紹介します

    浮世絵にはさまざまな種類の動物たちが登場します。ネコやイヌといった身近な哺乳類はもちろんですが、両生類や爬虫類の姿も描かれています。以前、カエルの浮世絵を取り上…

    子ネコたちが寺子屋でお勉強している様子を紹介します

    歌川芳虎の「新板ねこの手ならひ師匠」では、子ネコたちが寺子屋で読み書きを習っている様子が描かれています。今回は、そんな子ネコたちの奮闘ぶりをご紹介しましょう。中…

    北斎と馬琴が制作をめぐって喧嘩したという話

    浮世絵師・葛飾北斎と戯作者・曲亭馬琴。最強のタッグと言ってもよい2人は、『椿説弓張月』や『新編水滸画伝』など、13作(前編・後編などは1作とみなす)の読本を制作し…

    【オンライン展覧会】源平合戦から鎌倉へ-清盛・義経・頼朝

    太田記念美術館にて、2022年7月1日~7月24日まで開催の「源平合戦から鎌倉へ」展のオンライン展覧会です。展示作品全63点の画像および作品解説を掲載しています。 note上で…

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    北斎が馬琴の指示を勝手に変更して作画していたという話

    浮世絵師の葛飾北斎と戯作者の曲亭馬琴はタッグを組み、読本を制作しました。時には、北斎が馬琴の家に居候していたこともあるほど親密な関係でしたが、2人はとても気が合…

    北斎と馬琴は同居するほど親密だったという話

    葛飾北斎の名前が全国に知れ渡るきっかけとなったのは、数え45歳の頃から本格的に取り組むようになった「読本挿絵」です。読本と言えば、『南総里見八犬伝』がその代表でし…

    北斎は「画狂老人卍」というやんちゃな画号をどのようにして思い付いたのかという話

    葛飾北斎が生涯に何度も画号を変えたという話は有名ですが、たくさんある画号の中でも、特に異彩を放っているのが「画狂老人卍」ではないでしょうか。しかもこの画号、北斎…

    葛飾北斎のご先祖様ってどんな人?

    葛飾北斎を生んだ両親は、どのような人物だったのでしょうか? 父親については、川村氏、あるいは、幕府御用達の御鏡師(鏡職人)である二代中嶋伊勢の長男であったという…

    葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は「三十六景」ではなくて「四十六景」という話

    葛飾北斎の代表作である「冨嶽三十六景」。題名が「三十六景」となっていますので、全部で36点からなるシリーズと思われがちなのですが、実は36点ではなく、46点が確認され…

    虎子石さんぽ 大磯をぶらぶら

    東海道の宿場である大磯。「曽我物語」で有名な曽我十郎の恋人である大磯の虎(虎御前)や、彼女が大事にしていた虎子石にもゆかりの深い町でもあります。虎子石について詳…

    【オンライン展覧会】「北斎とライバルたち」(通期)

    太田記念美術館にて、2022年4月22日~6月26日開催の「北斎とライバルたち」のオンライン展覧会です。 画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美…

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    ネズミの絵暦いろいろ

    旧暦では、一ヶ月が30日からなる大の月と、29日からなる小の月がありました。毎年変わる大小月を示した暦が「大小」であり、またこれを絵で示したものを近代以降では「絵暦…

    ネズミVS人間のいさかいをリポートしてみた

    今回ご紹介するのは、ネズミと人との小競り合いを描いた四代歌川国政「しん板ねづミのたわむれ」(明治15年[1882]大判錦絵)。では早速、見ていきましょう。 一段目  …

    浮世絵の象たちをご紹介いたします

    現代人にとって、動物園やテレビで見慣れた動物である象。浮世絵にもしばしば登場するのですが、本来、象は日本には生息しない動物です。今回は江戸から明治にかけて象を描…

    【オンライン展覧会】闇と光ー清親・安治・柳村

    太田記念美術館にて、2022年11月1日~12月18日開催の「闇と光ー清親・安治・柳村」のオンライン展覧会です。 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美術館で実物をご覧いただくような感じでお楽しみいただけます。 オンライン展覧会の入館料は1800円です。無料公開の下にある「記事を購入する」をクリックしてご購入ください。一度記事をご購入されると無期限でご覧いただけます。いつでも、どこでも、お好きな時に「闇と光ー清親・安治・柳村」展をご

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    【オンライン展覧会】はこぶ浮世絵ークルマ・船・鉄道

    太田記念美術館にて、2022年10月1日~10月26日まで開催の「はこぶ浮世絵ークルマ・船・鉄道」展のオンライン展覧会です。展示作品全66点の画像および作品解説を掲載しています。 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美術館で実物をご覧いただくようにお楽しみいただけます。 オンライン展覧会の入館料は、実際の展覧会と同じ800円です。無料公開の下にある「記事を購入する」をクリックしてご購入ください。一度記事をご購入されると無期限でご覧いた

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    浮世絵のカメたちをご紹介します

    浮世絵にはさまざまな種類の動物たちが登場します。ネコやイヌといった身近な哺乳類はもちろんですが、両生類や爬虫類の姿も描かれています。以前、カエルの浮世絵を取り上げましたが、今回はカメの浮世絵をご紹介しましょう。 まずは、浮世絵に登場するカメとしてもっとも有名な作品が、歌川広重の「名所江戸百景 深川万年橋」でしょう。 胴体に細い紐が結び付けられ、宙にぶら下がっているカメ。首を上に伸ばし、手足をバタバタしているようです。 なぜカメがこんな姿で吊るされているのかと言えば、この

    子ネコたちが寺子屋でお勉強している様子を紹介します

    歌川芳虎の「新板ねこの手ならひ師匠」では、子ネコたちが寺子屋で読み書きを習っている様子が描かれています。今回は、そんな子ネコたちの奮闘ぶりをご紹介しましょう。中には真面目にお勉強できない子ネコたちもいるようですが…。 こちらの浮世絵、画面の上と下に二つの場面が描かれています。まずは、上の「席書」の場面から見てみましょう。 「席書」とは、大勢の前で子ネコたちに文字を書かせる、言わばお披露目の会です。画面の上には、「鶴亀」「松竹梅」など、大きな紙に書かれた書がずらりとぶら下が

    北斎と馬琴が制作をめぐって喧嘩したという話

    浮世絵師・葛飾北斎と戯作者・曲亭馬琴。最強のタッグと言ってもよい2人は、『椿説弓張月』や『新編水滸画伝』など、13作(前編・後編などは1作とみなす)の読本を制作し、ヒットを重ねました。 北斎と馬琴の関係については、これまでも紹介してきました。 北斎と馬琴。才能ある2人だからこそ、時には制作をめぐって衝突することもあったようで、さまざまな逸話が伝わっています。今回は、そんな2人が喧嘩をして仲違いをしたというエピソードを紹介しましょう。 文化9年(1812)に刊行された『占

    【オンライン展覧会】源平合戦から鎌倉へ-清盛・義経・頼朝

    太田記念美術館にて、2022年7月1日~7月24日まで開催の「源平合戦から鎌倉へ」展のオンライン展覧会です。展示作品全63点の画像および作品解説を掲載しています。 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美術館で実物をご覧いただくようにお楽しみいただけます。 オンライン展覧会の入館料は、実際の展覧会と同じ800円です。無料公開の下にある「記事を購入する」をクリックしてご購入ください。一度記事をご購入されると無期限でご覧いただけます。いつで

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    北斎が馬琴の指示を勝手に変更して作画していたという話

    浮世絵師の葛飾北斎と戯作者の曲亭馬琴はタッグを組み、読本を制作しました。時には、北斎が馬琴の家に居候していたこともあるほど親密な関係でしたが、2人はとても気が合う仲のいいお友達という訳ではなかったようです。今回は、読本の制作をめぐる2人のエピソードをご紹介しましょう。 読本の挿絵は、戯作者がラフスケッチ(稿本)を描き、絵師はその指示を元に作画します。例えば、こちらの馬琴による『南総里見八犬伝』の稿本。右上には刀や槍で戦う人々、下の方には馬に乗って戦う人々が描かれています。

    北斎と馬琴は同居するほど親密だったという話

    葛飾北斎の名前が全国に知れ渡るきっかけとなったのは、数え45歳の頃から本格的に取り組むようになった「読本挿絵」です。読本と言えば、『南総里見八犬伝』がその代表でしょう。日本の伝説や歴史を題材とした伝奇的要素の強い小説のことで、時には数冊、場合によっては数十冊にもわたってストーリーが繰り広げられました。読本は、基本的には文字で構成されていますが、時折、物語の一場面を絵画化したものが挿し込まれます。その挿絵はモノクロの画面で、錦絵のように鮮やかな色はありませんが、隅々まで緻密に描

    北斎は「画狂老人卍」というやんちゃな画号をどのようにして思い付いたのかという話

    葛飾北斎が生涯に何度も画号を変えたという話は有名ですが、たくさんある画号の中でも、特に異彩を放っているのが「画狂老人卍」ではないでしょうか。しかもこの画号、北斎が70代半ばというかなりの高齢になってから使い始めたものです。ちょっと中二病を思わせるようなやんちゃな画号。北斎はなぜこのような画号を用いるようになったのか、その経緯をご紹介しましょう。 北斎は、享和元年(1801)、数え42歳の頃から「画狂人」という画号を用い始めます。例えばこちらの「見立三番叟」という肉筆画。

    葛飾北斎のご先祖様ってどんな人?

    葛飾北斎を生んだ両親は、どのような人物だったのでしょうか? 父親については、川村氏、あるいは、幕府御用達の御鏡師(鏡職人)である二代中嶋伊勢の長男であったという説(註1)があり、断定には至っておりません。(後日、別記事にて紹介予定) 一方、母親については、小林平八郎の孫であったことが伝わっています(註2)。 小林平八郎とは、忠臣蔵で知られる吉良上野介に仕えた武士。元禄14年(1701)、大石内蔵助が率いる赤穂義士たちが吉良邸に討ち入りした際、吉良上野介を守るために奮闘し

    葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は「三十六景」ではなくて「四十六景」という話

    葛飾北斎の代表作である「冨嶽三十六景」。題名が「三十六景」となっていますので、全部で36点からなるシリーズと思われがちなのですが、実は36点ではなく、46点が確認されています。 なぜ、36点ではなく、10点も多いのでしょうか? その理由は非常にシンプルで、「冨嶽三十六景」の売れ行きが好調だったため、追加で出版されることになったのです。こちらが追加された10点。浮世絵好きの間では「裏富士」と通称されています。 このように、浮世絵の題名が制作された枚数と合致しないことは、と

    虎子石さんぽ 大磯をぶらぶら

    東海道の宿場である大磯。「曽我物語」で有名な曽我十郎の恋人である大磯の虎(虎御前)や、彼女が大事にしていた虎子石にもゆかりの深い町でもあります。虎子石について詳しくはこちらの記事をどうぞ。 昨年、フェリシモさんよりぬいぐるみも発売されています。 さて、虎子石のぬいぐるみが先日、自らのルーツである大磯の町をぶらぶらとお散歩してきたようですので、その様子をお伝えします。 美術館のある原宿から品川で乗り換えて東海道線にのり、大磯の駅に降りたようです。こじんまりとして雰囲気のあ

    【オンライン展覧会】「北斎とライバルたち」(通期)

    太田記念美術館にて、2022年4月22日~6月26日開催の「北斎とライバルたち」のオンライン展覧会です。 画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美術館で実物をご覧いただくような感じでお楽しみいただけます。 オンライン展覧会の入館料は1800円です。無料公開の下にある「記事を購入する」をクリックしてご購入ください。一度記事をご購入されると無期限でご覧いただけます。 いつでも、どこでも、お好きな時に「北斎とライバルたち」展をご鑑賞ください。 展示作品リ

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    ネズミの絵暦いろいろ

    旧暦では、一ヶ月が30日からなる大の月と、29日からなる小の月がありました。毎年変わる大小月を示した暦が「大小」であり、またこれを絵で示したものを近代以降では「絵暦」(大小絵暦)と呼びます。 新年に配られた絵暦では、鶴や亀、十二支などおめでたい動物もモチーフとして人気でした。今回は太田記念美術館が所蔵する絵暦のなかから、安永9年(1779)、庚子の、ネズミが大活躍する絵暦をご紹介いたします。 「鼠の相撲」 12.6×13.1cm ネズミの力士が睨み合っています。行司は大

    ネズミVS人間のいさかいをリポートしてみた

    今回ご紹介するのは、ネズミと人との小競り合いを描いた四代歌川国政「しん板ねづミのたわむれ」(明治15年[1882]大判錦絵)。では早速、見ていきましょう。 一段目  夜、ネズミの暗躍と翻弄される人々 まずは一段目。夜中に突然ネズミが現れたのでしょう、寝間着姿の夫婦と子供が大騒ぎをしています。 勇ましく応戦する男性。右手に枕、左手にほうきを手にしています。右足で踏みつけるのはネズミ捕りの仕掛け、「枡おとし」に使った一升枡。棒で支えて立て掛けた一升枡の下に餌を置き、これにネ

    浮世絵の象たちをご紹介いたします

    現代人にとって、動物園やテレビで見慣れた動物である象。浮世絵にもしばしば登場するのですが、本来、象は日本には生息しない動物です。今回は江戸から明治にかけて象を描いた浮世絵をご紹介しながら、当時の人々にとって未知の動物である象が、どのような存在であったかも見ていきたいと思います。 北尾重政「江口の君図」寛政1~10年(1789~98)頃 絹本着色 一幅 白い象に乗るのは、謡曲『江口』で知られる遊女。『江口』は、西行法師が摂津国の江口で遊女と歌問答を行ったことや、遊女が普賢菩