太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万500…

太田記念美術館

東京・原宿にある浮世絵専門の私立美術館です。1980年開館。コレクションは約1万5000点。浮世絵の楽しさを皆さまにお届けします。表記がない画像は太田記念美術館の所蔵。公式サイトは http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

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記事一覧

北斎が死の淵から自力で蘇ったという話

葛飾北斎は文政10~11年(1827~28)、数え68~69歳の頃、中風(ちゅうぶう)、すなわち脳血管障害の病気を患います。 脳血管障害の症状は人によって様々ですが、たとえば、…

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世界最大の木版口絵コレクションー朝日コレクションの功績

太田記念美術館にて2021年5月21日~6月20日にて開催された「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵―朝日智雄コレクション」展。明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や…

突然の大雨や雷に戸惑う浮世絵を集めてみた

朝は晴れていたのに、午後になると天気が急変して突然の雷雨に…ということは、誰しも経験したことがあるかと思います。特に傘を持たずに外に出ていた時は困ったものです。…

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木版口絵はどうやって制作されるのかー江戸時代の錦絵との違い

太田記念美術館にて2021年5月21日~6月20日にて開催の「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵―朝日智雄コレクション」展。明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や小説…

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ラスト・ウキヨエの継承者ー木版口絵を描いた絵師たち

太田記念美術館にて2021年5月21日~6月20日にて開催した「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵―朝日智雄コレクション」展。明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や小…

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【オンライン展覧会】「月岡芳年―血と妖艶」第1章 血

 太田記念美術館にて、2020年8月1日~10月4日に開催された「月岡芳年―血と妖艶」展のアーカイブです。展覧会は「血」「妖艶」「闇」の3章構成となっており、さらに前…

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北斎が死の淵から自力で蘇ったという話

北斎が死の淵から自力で蘇ったという話

葛飾北斎は文政10~11年(1827~28)、数え68~69歳の頃、中風(ちゅうぶう)、すなわち脳血管障害の病気を患います。

脳血管障害の症状は人によって様々ですが、たとえば、北斎の兄弟子である勝川春好も中風を患い、絵師の命ともいえる利き手が麻痺してしまいました。晩年は左手で絵を描くようになりますが、病気する前と同じようにはいかなかったことでしょう。

歌川国芳も安政2年(1855)、59歳の頃

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世界最大の木版口絵コレクションー朝日コレクションの功績

世界最大の木版口絵コレクションー朝日コレクションの功績

太田記念美術館にて2021年5月21日~6月20日にて開催された「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵―朝日智雄コレクション」展。明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や小説の単行本の巻頭に折り込まれた、木版口絵を紹介する展覧会でした。

この展覧会には111点の作品が出品されましたが、その全てを朝日智雄氏という個人のコレクターからお借りしていました。

静岡県三島市にお住いの朝日智雄氏は、今か

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突然の大雨や雷に戸惑う浮世絵を集めてみた

突然の大雨や雷に戸惑う浮世絵を集めてみた

朝は晴れていたのに、午後になると天気が急変して突然の雷雨に…ということは、誰しも経験したことがあるかと思います。特に傘を持たずに外に出ていた時は困ったものです。

急な大雨を描いた浮世絵といえば、歌川広重の「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」ですとか、

同じく歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」が有名です。

このように浮世絵には、大雨や雷、あるいは、急激な天気の変化に慌てる人々の姿がし

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木版口絵はどうやって制作されるのかー江戸時代の錦絵との違い

木版口絵はどうやって制作されるのかー江戸時代の錦絵との違い

太田記念美術館にて2021年5月21日~6月20日にて開催の「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵―朝日智雄コレクション」展。明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や小説の単行本の巻頭に折り込まれた、木版口絵を紹介する展覧会です。

江戸時代の錦絵(多色摺りの木版画)は、絵師、彫師、摺師の協同作業によって制作されます。すなわち、①絵師が版下絵を描き、②彫師が輪郭線だけの主版を彫り、墨一色の校合摺

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ラスト・ウキヨエの継承者ー木版口絵を描いた絵師たち

ラスト・ウキヨエの継承者ー木版口絵を描いた絵師たち

太田記念美術館にて2021年5月21日~6月20日にて開催した「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵―朝日智雄コレクション」展。明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や小説の単行本の巻頭に折り込まれた、木版口絵を紹介する展覧会でした。

はたして、木版口絵はどのような絵師たちによって描かれたのでしょうか。木版口絵研究の第一人者である山田奈々子氏の『増補改訂 木版口絵総覧』(文生書院、2016年)

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【オンライン展覧会】「月岡芳年―血と妖艶」第1章 血

【オンライン展覧会】「月岡芳年―血と妖艶」第1章 血



 太田記念美術館にて、2020年8月1日~10月4日に開催された「月岡芳年―血と妖艶」展のアーカイブです。展覧会は「血」「妖艶」「闇」の3章構成となっており、さらに前期と後期で全点展示替えをしておりましたが、このオンライン展覧会では、第1章「血」で展示した全46点の画像、ならびに全ての作品解説を掲載しています。
 note上では、画像をクリックすると、より大きなサイズでご覧いただけますので、美

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